等角共役点と五心の関係

”等角共役点”という初等幾何学の有名な概念を紹介しています。”等角共役点”がどういうものかを知りたい方、初めてお知りになった方は以下の記事をお読みになる前に、「等角共役点の定義」をご覧になって、定義をつかむことをお勧めします。

等角共役点を考えることにより、三角形の五心(重心、外心、内心、傍心、垂心)の位置付けが分かります。そして、等角共役点を理解することにより、三角形の五心についても一層理解が深まります。そういう意味でも重要な概念といえます。次が今回の記事で紹介したい性質です。

僊BCにおいて、
(1) 外心と垂心は互いに等角共役な点である。
(2) 内心の等角共役点は、内心自身である。
(3) 傍心の等角共役点は、その傍心そのものである。

証明は難しくありません。(2)、(3)は定義そのものからほとんど自明です。(1)を証明するには、「∠BAO=∠CAH、∠CBO=∠ABH、∠ACO=∠BCH」を示す必要がありますが、これについては、「垂心と外接円の美しい関係」の図1をご覧になれば明らかであることが分かります。

何より、cinderellaの図が説得してくれます。次の図1にそれを与えています。

点Pをマウスで左クリックしながらドラッグして動かしてみてください。点Pの移動とともに、等角共役点である点Qも移動します。同時に僊BCの外心、垂心、内心、傍心が示されています。

性質を確認するために、点Pを垂心、(または外心)に移動させてみましょう。このときの点Qの移動先が、垂心、(または外心)の等角共役点というわけですね。外心、(または垂心)に移動する点Qが観察できるでしょうか?また、点Pを内心に移動すると、点Qも同じ内心に重なります。つまり、内心の等角共役点は、内心自身です。さらに、点Pを傍心へと移動させてみましょう。点Qがどんどん遠ざかって不安になりますが、点Pが傍心に近づくと、反対側から点Qが突然出現し、互いに等角共役な2点P,Qは傍心で重なります。もちろん3つの傍心全てについてこのような現象がおきます。完璧に狂いなく性質(1)(2)(3)が成立していますね。

Javaをインタラクティブ作図用に使えるようにしてください。

図1

三角形の五心のうち重心についてはまだ説明していませんでした。実は、重心の等角共役点は、三角形の五心とは異なる点になります。等角共役点には非常に多くのきれいな性質があるので、重心の等角共役点についても、何らかの特別な意味や性質があるのではないか、と期待したくなります。

事実、重心の等角共役点のことを”ルモアンヌ点”といいます。ルモアンヌという数学者が、この点について研究しました。そして、今では、ルモアンヌ点についてたくさんの魅力的な性質が知られています。これについては、別の機会に紹介したいと思います。

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