平面図形の不思議 > 九点円(フォイエルバッハの円)


九点円(フォイエルバッハの円)(その4)

9点円の性質の第4弾として、三角形の3つの頂点と垂心の間の不思議な対称性を紹介しましょう。凾`BC,凾aCH,凾bAH,凾`BHは同じ9点円をもつという性質があります。9点円の定義からほとんど自明ではありますが、不思議な性質に感じます。下の「cinderella」の図を動かすとその不思議さがもっと実感できると思います。

定理 三角形ABCの垂心をHとする。このとき、
(1) 凾`BHの垂心は点C、凾aCHの垂心は点A、凾bAHの垂心は点Bである。
(2) 凾`BC、凾aCH、凾bAH、凾`BHの9点円を定義する9つの点は集合として一致し、したがって9点円も同一である。 

下の「cinderella」の図を動かすとはっきり分かりますが、4つの三角形の9点円が同じだけでなく、9点円を定義する9つの点(各辺の中点、各頂点から対辺へ下ろした垂線の足、頂点と垂心の中点)も(集合として)同じになってしまいます。さらに、「九点円(その3)」で紹介した「9点円の半径が外接円の半径の半分」という性質から、凾`BC,凾`BH,凾aCH,凾bAHの外接円がすべて同じ半径をもつことも分かります。文章よりも図形を見たり操作した方が理解しやすいと思うので、さっそく、下の図の頂点をドラッグしてみましょう。

Javaをインタラクティブ作図用に使えるようにしてください。

上の図は、固定された三角形ABCとその垂心Hとその9点円(えんじ色の円)、そして、マウスでドラッグできる可動の凾`'B'C'とその垂心H'とその9点円(青色の円)が重なった状態で図示されています。

初め凾`'B'C'と凾`BCは重なっているので、2つの9点円(えんじ色の円と青色の円)も重なっています。次に頂点A'を左クリックしながらドラッグして下の三角形の頂点Hの位置まで移動してみましょう。すると、上の三角形の垂心H'は頂点Aの位置に戻り、上下の2つの三角形の9点円、および9点円を定義する9つの点も上下でぴったり重なることが確かめられます。

再び頂点A'を点Aの位置に戻し、頂点B'を点Hの位置まで,あるいは頂点C'を点Hの位置まで動かしてみましょう。先ほどと同様、上の三角形の垂心H'は頂点B,あるいは頂点Cに移動し、9点円、および9点円を定義する9つの点も上下でぴったり重なります。

このことから、凾`BC,凾aCH,凾bAH,凾`BHの4つの三角形について、頂点、垂心、9点円、9点円を定義する9つの点は同じ図形を描くことが分かります。やはり不思議に感じてしまいます。

さて、「九点円(フォイエルバッハの円)(その2)」で紹介した「フォイエルバッハの定理」を覚えていますか。

定理(フォイエルバッハ) 三角形ABCの九点円は、三角形ABCの内接円、および3つの傍接円(合計4つの円)に接する。

この定理と上の定理(2)を合わせると驚きの事実に気づきます。すなわち、

定理 三角形ABCの垂心をHとする。このとき、
凾`BCの九点円は、凾`BC、凾`BH、凾aCH、凾bAHそれぞれの内接円、および3つの傍接円(な、な、なんと16個の円全て!)に接する。

ちと、私には複雑すぎて状況が把握できませんし、イメージもできません。そこで、作図ソフト「cinderella」で図を作ってみました。結構手間がかかったんですよ。

Javaをインタラクティブ作図用に使えるようにしてください。

衝撃の映像です。凾`BCを青色で描き、その九点円をえんじ色、垂線を緑で表しています。凾`BC,凾`BH,凾aCH,凾bAHの内接円、傍接円たち(全てオレンジ色で表現)がえんじ色の九点円に接している様子です。

頂点A,B,Cのどれかの点を左クリックしたまま、ドラッグすると、図形を変形できます。常に九点円はたくさんのオレンジ色の内接円、傍接円に接しているようです。

正直言って、複雑すぎて気持ち悪いです。

九点円(フォイエルバッハの円)(その5)

九点円は2次曲線とも関わっていることを以下の定理で紹介します。何と、垂心と外心を焦点にもち、しかも三角形にも9点円にも接する2次曲線が存在するというのだから、驚きます。

定理 直角三角形でない凾`BCの垂心をH、外心をOとする。このとき、HとOを焦点とし凾`BCの3辺と接する2次曲線が存在し、しかもこの2次曲線はその頂点で9点円とも接する。さらに、垂心と外心がともに凾`BCの内部にあるとき2次曲線は楕円になり、垂心と外心がともに凾`BCの外部にあるとき2次曲線は双曲線になる。

以下の図は「cinderella」で作成しました。オレンジ色の楕円が三角形の辺とえんじ色の9点円の両方に接しています。この図をみると、楕円の焦点をなす外心Oと垂心Hがきれいに対称的に位置している様子が分かります。外心と垂心の間には一種の対称性(等角共役点)があるのです。外心と垂心の定義はまるで違うので、初めて知ったときは驚きました。

Javaをインタラクティブ作図用に使えるようにしてください。

三角形ABCの頂点のどれかを左クリックしたままドラッグして移動させてみましょう。内接する楕円は形や位置を変化させますが、つねに三角形と9点円に接しています。

さらにドラッグを続けて、頂点を垂心に近づけ、そして垂心を三角形の外部に出してみましょう。すると外心は辺の中点に近づき、同じタイミングで三角形の外部に出てしまいます。垂心が頂点に近づくとともにオレンジ色の楕円はだんだん潰れたようになり、垂心、外心が三角形の外部に出ると同時に、オレンジ色の曲線は楕円から双曲線に変化してしまうことも確認できます。

このとき、垂心と外心はきれいに双曲線の焦点をなし、依然として双曲線は三角形の辺と9点円に接しながら変化している様子が確認できます。

あら不思議!

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。