平面図形の不思議 > 外心三角形


外心三角形の不思議(その4)

外心三角形とは、私が勝手に定義し命名した三角形です。「外心三角形の不思議」シリーズでは、これについて紹介しています。

まず、「外心三角形」を次のように定義します。

定義 僊BCと、その内部、あるいは外部の点Pに対して、傳PC,僂PA、僊PBの外心をそれぞれO1,O2,O3とする。これらの点を頂点とする三角形(儖1O2O3)を、「外心三角形」と呼ぶ

外心三角形のシリーズで、「その1」で点Pが垂心の場合について、「その2」で点Pが外心の場合について、「その3」で点Pが内心、あるいは傍心の場合について調べました。今回「その4」では点Pが重心の場合について報告します。

僊BCの辺BC,辺CA,辺ABの中点をそれぞれ点D,点E,点Fとします。僖EFを、僊BCの中点三角形といいます。直線AD,BE,CFの交点を点Gとします。点Gは三角形の重心といいました。(「三角形の五心の定義」参照)。さらに、僊BCの重心Gの外心三角形を儖aObOcとおきます。ここで、傳GC、僂GA、僊GBの外心をそれぞれOa、Ob、Ocとしています。このとき、次の性質が成立するようです。(証明はまだしていません。)

(1) 直線OaD、直線ObE、直線OcFは一点で交わり、この交点をOとおくと、点Oは僊BCの外心であり、僖EFの垂心であり、儖aObOcの重心である。
(2) 直線ObOcと直線EFの交点、直線OcOaと直線FDの交点、直線OaObと直線DEの交点は同一直線上にあり、この直線は、僊BCの(あるいは僖EFの)オイラー線と直交する。(実は、僊BCのオイラー線と僖EFのオイラー線は同一である。)

図1にて(1)(2)を説明しています。僊BCの頂点A,B,Cのどれかを左クリックしながらドラッグすると、図形を変形できます。

図1中の濃い緑の直線が、僊BCのオイラー線、あるいは僖EFのオイラー線を表しています。点Oは僊BCの外心、点Gは僊BC、僖EF両方の重心です。さらに、点O'は僖EFの外心、点Hは僊BCの垂心を表します。

また、直線ObOcと直線EFの交点、直線OcOaと直線FDの交点、直線OaObと直線DEの交点が同一直線(図1のオレンジ色の直線)上に存在することは、デザルグの定理から示されますが、この直線はオイラー線(来い緑色の直線)に直交しているようです。

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図1

さらに、次の性質が成り立ちます。

(3) 直線OaDと直線EFの交点、直線ObEと直線FDの交点、直線OcFと直線DEの交点をP,Q,Rとおくと、直線EFと直線QRの交点、直線FDと直線QPの交点、直線DEと直線PQの交点が一直線上に並び、再びこの直線は僊BCのオイラー線(=僖EFのオイラー線)に直交します。
(4) (3)の直線と(2)の直線は互いに平行で、これらの2直線は僊BCの重心G(=僖EFの重心)について点対称に位置する。

僊BCの頂点A,B,Cを左クリックしながらドラッグすると、図形が変形できます。(3)の3つの交点が一直線(黄色の直線)であることはデザルグの定理から分かります。さらにこの直線がオイラー線に直交することも証明できます。また、(3)の直線(黄色の直線)と(2)の直線(オレンジ色の直線)は、点Gにおいて点対称になっているようです。

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図2

外心三角形の不思議(その5)

外心三角形とは、私が勝手に定義し命名した三角形です。「外心三角形の不思議」シリーズでは、これについて紹介しています。

まず、「外心三角形」を次のように定義します。

定義 僊BCと、その内部、あるいは外部の点Pに対して、傳PC,僂PA、僊PBの外心をそれぞれO1,O2,O3とする。これらの点を頂点とする三角形(儖1O2O3)を、「外心三角形」と呼ぶ

外心三角形のシリーズで、「その1」で点Pが垂心の場合について、「その2」で点Pが外心の場合について、「その3」で点Pが内心、あるいは傍心の場合について、「その4」で点Pが重心の場合について調べました。今回「その5」では、等角共役点との関係について、cinderellaの図とともに報告します。

まず、等角共役点を定義します。等角共役点については、数多くの性質が知られています。これについていずれまとめる予定ですが、今回は定義だけ述べましょう。

定義(等角共役点)僊BCの∠A、∠B、∠Cの内角の2等分線をそれぞれa,b,cとおく。僊BCと、任意の点Pに対して、直線APの直線aに関する線対称な直線、直線BPの直線bに関する線対称な直線、直線CPの直線cに関する線対称な直線、合計3つの直線はちょうど一点で交わる。このとき3直線の交点を点Pに対する等角共役点という。

定義中の「3つの直線はちょうど一点で交わる」は証明を要する部分ですが、「チェバの定理」により証明できます。証明についてはいずれ別の記事で紹介します。また、点Pの等角共役点をQとすると、点Qに対する等角共役点は点Pになることは、定義から自明でしょう。

初めての方には、「等角共役点」の定義は込み入って分かりにくいかもしれません。図1に等角共役点を図示しましたので、点Pからどのように等角共役点が定まるかを理解する助けにして下さい。

図1に僊BCと点Pがあります。∠A,∠B,∠Cの角の2等分線(定義中の直線a,b,c)を図中で濃い緑で表しています。そして、これらの直線a,b,cに関して、直線AP、直線BP、直線CPの線対称な直線をオレンジ色の直線で表しました。定義で述べている通り、図の中でオレンジ色の3つの直線は確かに一点で交わっていることが分かります。そして、この3直線の交点(図の点Q)が、点Pの等角共役点でした。

図の僊BCの頂点A,B,C、そして点Pのどれかを左クリックしながらドラッグすると、頂点が動きます。点Pが移動すると、点Qは点Pと反対向きに移動するようですね。

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図1

さて、これからが本題です。僊BCの互いに等角共役な2点(図1の点Pと点Q)の外心三角形に関して何が成立するかを、cinderellaで調べてみました。図を作るのは簡単ですが証明はまだしていません。しかし、どうやら以下に説明する性質が成立するようです。

僊BCの互いに等角共役な点P、点Qがあるとする。点P、点Qの外心三角形をそれぞれ、儕aPbPc、儔aQbQcとおく。ここで、傳PCの外心をPa、僂QAの外心をQbなどとする。このとき、
(1) 直線PaQa、直線PbQb、直線PcQcは僊BCの外心Oで交わる。
(2) 直線PbPcと直線QbQcの交点をRa、直線PcPaと直線QcQaの交点をRb、直線PaPbと直線QaQbの交点をRcとすると、3点Ra,Rb,Rcは線分PQの垂直2等分線上に並ぶ。
(3) 僊BC、儕aPbPc、儔aQbQそれぞれの外接円と僊BCの垂心と外心の垂直2等分線は、2点で交わる。(この2点がどのような点かは今のところ不明、だれか教えて!)

上の性質(1)(2)を説明する図を図2に示しました。僊BCの頂点A,B,Cそして点Pのどれかを左クリックしながらドラッグすると図形を変形できます。

点Pの外心三角形儕aPbPcの内部を水色で塗り、点Qの外心三角形儔aQbQcの内部を紫色で塗りました。2つの外心三角形の対応する頂点を結んだ直線PaQa、直線PbQb、直線PcQcが外心Oで交わっています。また、2つの三角形の辺QcQa、辺PcPaの交点、辺QaQb、辺PaPbの交点が、線分PQの垂直2等分線(えんじ色の直線)上にあることが分かります。(辺QbQcと辺PbPcを延長させれば、これらの交点もえんじ色の直線にありますが図示されていません。)

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図2

さらに、性質(3)を説明する図を図3に示しました。僊BCの頂点A,B,C、そして点Pのどれかを左クリックしながらドラッグすると図形を変形できます。

僊BCとその外接円、外心を黄緑色で、儕aPbPcとその外接円、外心を水色で、儔aQbQcとその外接円、外心を紫色で示しています。3つの三角形の外接円と、えんじ色の直線(線分PQの垂直2等分線)が2点で交わっていますね。

ところで、この2点はどのような点なのでしょうか?何らかの意味を持った点のような気がするのですが、今のところ分かりません。誰か分かったかたは教えてください。

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図3

外心三角形の不思議(その6)

外心三角形とは、私が勝手に定義し命名した三角形です。「外心三角形の不思議」シリーズでは、これについて紹介しています。

まず、「外心三角形」を次のように定義します。

定義 僊BCと、その内部、あるいは外部の点Pに対して、傳PC,僂PA、僊PBの外心をそれぞれO1,O2,O3とする。これらの点を頂点とする三角形(儖1O2O3)を、「外心三角形」と呼ぶ

外心三角形のシリーズで、「その1」で点Pが垂心の場合について、「その2」で点Pが外心の場合について、「その3」で点Pが内心、あるいは傍心の場合について、「その4」で点Pが重心の場合について、「その5」で等角共役点との関係について調べました。今回「その6」では等角共役点との関係についてさらに報告します。

「外心三角形の不思議(その4)」にて、等角共役点のより詳しい説明とcinderellaの図を示しましたので、参考にして下さい。ここでは「等角共役点」の定義のみを述べ、本題に入ります。

定義(等角共役点)僊BCの∠A、∠B、∠Cの内角の2等分線をそれぞれa,b,cとおく。僊BCと、任意の点Pに対して、直線APの直線aに関する線対称な直線、直線BPの直線bに関する線対称な直線、直線CPの直線cに関する線対称な直線、合計3つの直線はちょうど一点で交わる。このとき3直線の交点を点Pに対する等角共役点という。

等角共役点の外心三角形の面白い性質をさらに紹介するために、垂足三角形を定義します。

定義 僊BCと点Pがあるとする。点Pから辺BC,CA,ABへ下ろした垂線の足を頂点とする三角形を、点Pの垂足三角形という。(通常、僊BCの垂心Hの垂足三角形のことを”垂足三角形”といいますが、ここでは上のように定義する。)

互いに等角共役な2点の垂足三角形と、外心三角形の間に現れるすごい性質を報告します。

僊BCと互いに等角共役な2点P,Qがあるとします。そして点Pの外心三角形、垂足三角形を儕aPbPc、儕'aP'bP'c、点Qの外心三角形、垂足三角形を儔aQbQc、儔'aQ'bQ'cなどと表すことにします。ここで、傳PCの外心をPa、僂QAの外心をQb、点Pから辺BCへの垂線の足をP'a、点Qから辺CAへの垂線の足をQ'bなどと決めました。(図1参照。)

僊BCと互いに等角共役な2点P,Qがあるとする。このとき、
(1) 点P、点Qの垂足三角形の頂点P'a、P'b、P'c、Q'a、Q'b、Q'cの合計6個の点は、同一円周上にある。
(2) ある点の外心三角形と、その等角共役点の垂足三角形は互いに相似であり、対応する辺どうしは平行である。したがって相似の中心をもつ。すなわち、
(a) 儕aPbPc∽儔'aQ'bQ'c (b) 儔aQbQv∽儕'aP'bP'c
(3) 僊BCの外心をO、(2)の(a)(b)の相似の中心をそれぞれSq、Spとすると、点O、点P、点Sp、および点O、点Q、点Sqはそれぞれ同一直線上にある。

(1)の性質は等角共役点に関する有名な性質なので、参考までに紹介しました。しかし(2)、(3)の性質は知られていないように思います。私はcinderellaで適当に図を作ってみて発見しただけで、証明していません。ある点の外心三角形とそれに等角共役な点の垂足三角形が相似というのに驚きました。下の図1の僊BCの頂点A,B,C、そして点Pのどれかを左クリックしながらドラッグすることにより図形を変形できます。図を見る限り(2)、(3)の性質は確かに正しいようですね。

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図1

ところで、等角共役点は三角形の五心とどのような関係があるのでしょうか?次の事実が知られています。(詳しくは、いずれ、等角共役点についてまとめます。)

(4) 僊BCの外心と垂心は互いに等角共役である。
(5) 僊BCの内心の等角共役点は内心自身である。傍心の等角共役点はその傍心自身である。
(6) 僊BCの重心の等角共役点はルモアーヌ点である。(魅力的な”ルモアーヌ点”についてはいずれ記事にします。)

これより、等角共役点の外心三角形に関する性質(2)より、外心、垂心、内心、傍心の外心三角形、垂足三角形について以下のことも成立することになります。

  • 僊BCの外心の外心三角形と垂心の垂足三角形は相似である。
  • 僊BCの外心の垂足三角形と垂心の外心三角形は相似である。(僊BCとも相似であった。)
  • 僊BCの内心の外心三角形は、内心の垂足三角形と相似である。
  • 僊BCの傍心の外心三角形は、その傍心の垂足三角形と相似である。

どうですか?外心三角形はなかなか魅力的な研究分野だと思います。それにしても、cinderellaは図形の不思議な性質を次々と教えてくれます。証明をきちんと行って裏づけを取らなければいけませんね。

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